平成31年度東京都予算等に対する要望ついて
団体名 社会福祉法人 東京都 手をつなぐ育成会
(東京都手をつなぐ親の会)
【福祉施策に関する要望】
1.「東京都障害者への理解促進及び差別消推に関する条例」ついて
共生社会実現に資する大きな前進としてこの条例が制定されましたことは、私たち障害者、および家族にとりましては大きな喜びです。ぜひこの条例の制定及び内容を広く都民、事業者へ周知を図り、実行性の伴う取り組みにしてください。また、都は民間事業者にも「合理的配慮の提供」を義務としました。紛争解決の仕組みも広く周知するとともに、都における調整委員会のみならず、区市町村相談機関との連携の仕組みも強化してください。
2.グループホーム家賃助成について
毎年、都の家賃助成を平成23年以前 の国の家賃助成制度ができる前の金額に戻してくだ さいというお願いをしていますが、今年度も、都の調査ではGH利用者は、家賃、生活費を支払っても一定額手元に残っているということを理由に現状維持というご回答を頂いております。さらに生活費の現状を示しましても 、障害者の所得保障の課題というご回答です。 しかながら、東京は、他府県と 比べても格段に、人件費、土地が高く、全国賃貸管理ビジ ネス協会の2018年3月の全国家賃同行調査でも平均賃料は近隣の神奈川県は、東京都の 89%、大阪府においては79%の金額です。家賃が高額にならざるを得ないのは、大都市東京ならではの課題といえます。
ぜひ、収入の少ないGH利用者については、家賃補助の上乗せを検討ください。
3.心身障害者医療費助成について
毎年、愛の手帳3度、4度の人にも医療費助成のお願いをしていますが、そもそも医療費助成は、重度心身障害者の医療の困難性と経済的な負担が大きいことに着目した制度であ り、障害の程度に応じて助成範囲を判断するもではないというご回答を頂いています。
しかし、3度、4度であっても、自身の体調をきちんと把握し、医療従事者に正確に伝えることができない人もたくさんおります。また、経済的な問題については、 逆に3度、4度の B型利用者については、収入が少な人もいます。もちろん、非課税者については、全額補助いただけると助かりますが、この助成の予算規模の拡大も鑑み、せめて本人負担が 1割になるよう検討ください。
【労働施策 に関する要望】
1, 雇用関係
従事可能な業務拡張など職域の見極めや雇用制度の整備等を進め、都庁での知的障害者の正規雇用の実現を是非ともお願いします。そためにも知的障害がある受験生向けの専用試験を実施してください。専用試験をもって知的障害者を採用し、正規職員として雇用している地方自治体もあります。東京都でもぜひ、知的障害者専用の試験実施と正規雇用の実現を願います。
また、障害のある非常勤職員の更新回数には制限をかけず、就業後最長 5年後には離職 をしなくてはならないとう不安感を抱かずに、安心して働き続けられるようにしてください。
【教育施策に関する要望】
1.教職員の配置について
教員の専門性の向上が求められる一方で、働き方改革も進められています。児童・生徒の能力を最大限に伸長するための教員の配置と都による加配をお願いします。
① 特別支援学校のセンター的機能の要となるコーディネーターの専任化
② 外部専門家の導入により、教員数を減員しない
③ 特別支援教室担当教員の児童・生徒数に見合った適切な配置
2.重度重複学級の設置について
重度重複学級の適切な編制については、毎年お願いしておりますが、成果を実感できないまま、医療的ケア児の受け入れが始まりました。児童・生徒の実態に見合った重度重複学級設置をお願いします。
3.高等学校における通級制度ついて
小学校から中学校へと特別支援教室の設置が広がっていきます。現在、パイロット校とし て秋留台高校で実施されている通級指導教室の設置を他の都立校にも早急に進めてください。知的障害を伴わない発達障害等の生徒にとって、高等学校卒業が将来の進路を広げていきます。
4.PC・タブレット端末の増設について
授業への活用のみでは無く、児童生徒が実際に手に取り操作きるだけの増設をお願いします。知的障害を持った児童生徒でも、視覚に訴える事の出来るPC・タブレット端末は、情報の出し入れの手段として、またコミュニケーション手段として、予定計画の自己管理手段として、有効な機器となりえます。TOKYO2020に向けても様々な情報へのアプローチが可能となります。