平成28年9月12日(月)午前10時から田無駅南口の「きらっと」で、スタッフを含めて約90人が参加して、自閉症の専門家平雅夫氏(社会福祉法人 トポスの会 理事、 星槎大学講師)の講演会が開催された。
演題は「発達障がい者に対する就労支援」
田無手をつなぐ親の会が主催、西東京市および西東京市教育委員会が後援。
平先生から、自閉症の子どもとの関わり、すなわち、その子供が引き起こす行動に対する周囲の人々の対応・対処について科学的な分析に基づいた説明があった。
平先生はトポスの会の理事であり、発達障害者就労支援センターゆに(UNI)のセンター長を務めている人。平素から、現場で障害を持つ子どもたちに接している職員に対して、理論的に支援方法を指導し、実践している。
その実践する対処・対応の方法は次のように話された。
「常に子供は正しい、間違えたことを訴えているのではない」という前提に立ち、周りの人たちが子どもの行動の原因やそれがどのように循環していくかをよく観察し、分析して対応する必要があると説明。
大前提は 「常に子供は正しい」ということを周りの人は理解すること。
つまり、子どもがパニックになったとき、そこには必ず先行現象があり、そして現実の行動が起き、これに伴って結果現象が続いて起きる。起こされた行動は子ども本人の状況とその子供の置かれた環境の相互作用だという。
例えば、おやつがないという【状態】のとき、子供は大声を上げて【行動】し、その【結果】としておやつを手に入れる、ことを考えた場合、
怒鳴りつけたり、叱りつけたりする方法によって、子どもの行動を矯正するのではなく、状況、行動をよく観察し、結果に行き着く過程を分析して、パニックを起こさないで結果に至るように考えることが重要と言う。障害だから仕方がないという考え方はだめだと。行動の前後をよく調べることが大事で、パニックだけを見て対処しようとしてはいけない。
発達障害児を持つ家庭では、平先生の理論を実践するためには、それなりに事前の勉強が必要と思うが、しかし、講演を聴いていて、障害児(者)の行動はその人の自然な行動(欲求)であって、それが健常者の表現方法とは異なっても、間違った行動ではなく正しい行動であると理解すれば、家族にとっても、施設で支援する人たちにとっても対応の仕方が変わるし、そのように変えるべきと思った。論理的で難しく感じるような講演内容であったが、現場を熟知している平先生のお話は有益であった。
平先生のブログ
http://blog.livedoor.jp/pddscs/archives/661382.html
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